オアシス再結成チケット販売に批判殺到、当局が調査へ

1990年代を代表するブリットポップバンド・オアシスの再結成コンサートをめぐり、チケット販売方法に対する批判が高まっています。イギリスの競争監視当局が調査に乗り出し、音楽業界に激震が走っています。多くのファンが待ち望んだ再結成公演が、なぜ物議を醸しているのでしょうか。チケット販売をめぐる問題の背景について調査してみました。

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再結成コンサートに沸く期待と混乱

オアシスの再結成コンサートは、ファンの間で大きな期待を集めていましたが、チケット販売方法に問題が浮上しております。理由としては、 チケットマスターが採用した「ダイナミック・プライシング」という価格設定方式が、多くのファンの不満を招きました。 通常148ポンド(約195ドル)のはずだった立ち見チケットが、355ポンド(約470ドル)以上で販売されるケースが続出したせいです。これらの問題は、コンサートチケットの販売方法全般に影響を与え、業界全体の見直しにつながる可能性があります。

競争・市場庁(CMA)の調査開始

イギリスの競争監視当局である競争・市場庁(CMA)は、オアシスの再結成コンサートチケット販売に関する調査を開始しました。調査の焦点は、ライブ・ネーション・エンターテインメントの子会社であるチケットマスターが採用した「ダイナミック・プライシング」方式です。

ダイナミック・プライシングとは

ダイナミック・プライシングは、需要と供給のバランスに応じて価格を変動させる手法です。航空券や宅配食品の価格設定でよく使われますが、コンサートチケットの販売では特にイギリスでは一般的ではないそうです。

調査の焦点

CMAの調査は、以下の点に焦点を当てています:

  1. 消費者保護法違反の可能性
  2. 不公正な商慣行の有無
  3. ダイナミック・プライシングに関する十分な説明がなされたか
  4. 短時間での購入を強いる圧力がなかったか

CMAの最高経営責任者であるサラ・カーデル氏は、「チケットを購入する際にファンが公平に扱われることが重要です。多くの人々が悪い経験をし、チェックアウト時のチケット価格に驚いたことは明らかです」とコメントしています。

ファンの反応と批判

多くのオアシスファンは、チケット販売に対して強い不満を表明しています。主な批判点は以下の通りです:

  • 数時間オンラインで待たされた末に、予想の2倍以上の価格でチケットを購入せざるを得なかった
  • 需要が非常に高いことが事前に分かっていたにもかかわらず、ダイナミック・プライシングを使用したのは不適切だ
  • 価格設定が不透明で、消費者に不利益を与えている

これは問題だね、みんな。立ち見チケットが355.20ポンド(日本円に換算すると約67,080円)もの価格で販売されているのは恥ずべきことだ。完全な搾取だよ。

https://twitter.com/Trusha_reacts/status/1829846141745172718

オアシスとチケットマスターの反応

オアシスの声明

ギャラガー兄弟は声明を発表し、ダイナミック・プライシングの使用を知らなかったと主張しています。彼らは以下のように述べています:

「オアシスはチケットの販売や価格設定に関する決定を完全にプロモーターやマネジメントに任せており、ダイナミック・プライシングが使用されることを全く知りませんでした。チケット販売計画の実行が期待に応えられなかったことは明らかです。」

チケットマスターの主張

チケットマスターは、コンサートの価格設定は自社で行っているわけではないと主張しています。同社のウェブサイトには、「イベント主催者が市場価値に応じてチケットの価格を設定している」と記載されています。

今後の展開と影響

追加公演の対応

この問題を受けて、オアシスは追加公演を発表しました。ウェンブリー・スタジアムで9月27日と28日に開催される公演では、最初のチケットマスターでの販売で購入できなかった人々に優先的に販売されます。さらに、これらの追加公演ではダイナミック・プライシングは使用されないことが発表されてました。

法的規制の動き

アイルランドでは、この問題を受けて一部の議員がチケット販売におけるダイナミック・プライシングの禁止を求める動きを始めています。この動きが他の国々にも波及する可能性があります。

音楽業界への影響

この問題は、コンサートチケットの販売方法全般に影響を与える可能性があります。特に人気アーティストの公演チケット販売において、価格設定や販売方法の見直しが進む可能性が高いでしょう。

まとめ

オアシスの再結成コンサートチケット販売をめぐる問題は、音楽業界における価格設定と消費者保護の問題を浮き彫りにしました。競争・市場庁の調査結果によっては、業界全体の慣行が見直される可能性もあります。

ファンの期待と公平性、アーティストの利益、そして健全な市場の維持。これらのバランスをどのようにとっていくべきか、音楽業界は大きな課題に直面しています。この問題の行方は、今後のコンサートチケット販売のあり方を大きく左右することになるでしょう。

音楽ファンにとって、好きなアーティストのライブを楽しむことは何にも代えがたい経験です。その機会が公平に提供されることを、多くの人が望んでいます。オアシスの再結成という喜ばしいニュースが、このような形で議論を呼んでいることは残念ですが、この問題をきっかけに、より良いチケット販売システムが構築されることを期待したいところです。

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